Special thanks!  百瀬宗武先生

茨城大学理学部にはいろいろな分野の教員が在籍しております。今回は百瀬宗武先生にお話を聞きました。

百瀬宗武先生


現在の仕事に繋がるきっかけは?

大学院に進学する際にどのようなテーマにするかで悩みました。当時は地球物理学科にいましたが、テーマとしては地球系で地震とか隕石とか気象とかをされている先生がいますが、天文は隣になるので、修士のときに天文系に進むか地球系(宇宙)に進むかをずいぶん考えました。当時、ちょうど今の研究テーマで他の星の周りにできる惑星の誕生の場である円盤(原始惑星系円盤)が天文観測で観測されるようになってきたタイミングで、それがすごく面白そうだったので、選んだのが一つ目のきっかけです。茨城大学にも関連する研究者の方がいらっしゃいました。修士に進む際に天文で進んでいなかったら、実験室で石の分析などをしていたと思います。長野県野辺山にある電波望遠鏡を使ってそういうことを観測するほうが単純に面白そうだと思いました。ただ、そちらに進むには博士課程まで研究を続けないと仕事に就けないかなと。博士課程の進学についてその時初めて考えました。研究できるかできないか、自分に合うかどうか、やってみないとわからないから。当時は、地球から天文に移る人が少なく前例もなく、随分と考えました。

茨城大学で印象に残っていることは?

当時はこんなにきれいじゃなかったです。A棟にいましたが、A棟も今ほどきれいじゃなかった。学生さんは素直な方が多くて、教員のことを〇〇先生と呼びますが、天文業界は基本は「さん付け」でした。大学院も研究所にいたので、割とフラットな関係で研究に対しても分け隔てなく厳しくて。学生だからといって手加減なく研究の話をしていたから、しばらくは違和感を感じていました。悪い意味ではなく、初めて大学の教員になったってことです。2010年より前に茨大に入った方は施設も古く、そんな印象をもたれているのではないでしょうか?2000年に茨大に着任しましたが、その直後に現在の場所に新しい建物(現在のS棟)が建つことが決まり、すぐに今の場所に引っ越しました。引っ越しは大変で、学生と一緒にあのエレベーター(現在のS棟のエレベーター)で机を運びました。

原子力科学館のリニューアル推進委員会委員について

田内先生もずっとやられていますが、最初は原子力科学館の中身のアドバイスやイベントの際に科学的な知見に基づいてアドバイスをしていました。展示をリニューアルすることになり、その原案に対するアドバイスなどです。小学校の関係者や、地元の自治体の方ともやり取りしました。展示のリニューアルの関係で、ここ3年ほどは子供向けのお話会などもしました。宇宙の話や関連する元素の話、宇宙探査など小学校低学年の児童を対象にお話会を実施しました。1年目はロケットに関する話をしたり、「きぼう」という実験棟でどんなことをしているかなど少し天文の話、2年目は探査機「はやぶさ2」の話をして少し天文、3年目はより遠方の天体の話をしてほしいと言われブラックホールの話をしました。元素の同位体とか岩の年代を測ったりもするので、そんな話を交え科学館なので科学の話をしました。

今後の展望は?

国立天文台チリ観測所にはいくつかの役割があります。チリは観測天文学の世界的な中心地で、そこでの拠点です。アルマという電波望遠鏡は国際的に協力して運営しており、同じく国際協力で運営している合同アルマ観測所に派遣している研究者をお世話をしたりする立場でいきます。合同アルマ観測所は日本だけでなくアメリカやヨーロッパも出資して運用している研究施設なので、アメリカやヨーロッパの方とも連携してアルマという大きな望遠鏡の運営の助けをしていきます。チリは光の望遠鏡や、γ線天文学(γ線が大気に入ってきたときに出る光を観測)など、さらに日本の研究者が活動できる余地があるので、そこでの手助けをして活動の場を広げられるようにと思っております。アルマは大きな装置の一つなので、そういったものが海外で運用されているということは、日本のことを良く知ってもらうとか、チリとの友好関係に寄与することを期待されていると思っております。茨城大学での活動や科学館での活動(アウトリーチ)が活かせるかと思っているし、自分の研究もできればと。英語を日常的に使うことになり、話したりするためには慣れないといけないのでラジオ英会話を聞いてます。生活の言語はスペイン語になるので、スペイン後のラジオ講座を聞いてます。今はアプリでラジオを聞けるしテキストも電子書籍で読んでいます。コミュニケーションも大事なので、外国語の習得も大事ですね。

学生の皆さんへ

理学部では自然の摂理を学び、自然界の仕組みがどうなっているのか、どういう現象が起きるのか・起きないのかを考えていく人材を育てます。社会には課題がたくさんありますが、解決するためには実際にモノを作ったりというエンジニアの視点など多々ありますが、自然法則から外れることは起きません。自然界の成り立ちを踏まえて、どういうことが望ましいのかを選んでいける人になってほしいです。国内で仕事ができる人は国外でも仕事ができるし、自分の持ち場でしっかりやってほしいです。

セミナーでの様子
S棟7階からの景色